石川町・山手・元町の不動産賃貸・売買の事ならいわさき不動産

LIXIL 045-252-4480 お問合せはこちら
いわさき不動産な日々

職業と人生

タイトル:職業と人生

著 者:田中良雄

出版社:株式会社ごま書房

 

あなたは、仕事に一生懸命打ち込んでいるか

右に申しましたように、われわれの職業というものは、

たんに生活の資を得るためのものではなく、社会における

自分の使命を満たしていくために、自分に許されたる役割

であり、持ち場であり、世のため人のために尽くすといって

も、だいたいにおいて、この持ち場、この役割においてなさ

れるのでありますから、われわれにとって職業は、人生の

もっともたいせつな「つとめ」であって、けっしてわがまま勝

手に考えてよいものではないのであります。

 それでは、われわれはこのたいせつな「つとめ」である

自分の職業に対して、はたしていかなる態度で臨んでいる

のであろうか。

 われわれはときおり、真に自分の職業になりきって働いて

いる人の姿を見ると、心から頭の下がることがあります。

交通巡査が交通巡査になりきり、看護婦が看護婦に、タイ

ピストがタイピストに、事務員が事務員に、工員が工員に

なりきっている姿を見ると、無上に尊く感ずるのであります。

 われわれははたして自分の仕事に対しても、そのような

立派な態度をもって、仕事をやっているだろうか、じつは

われわれとても、どうして働かねばならぬのであります

から、できるなら心からおもしろく楽しく、またほがらかに

働きたいのであります。

さらにできることなら、自分の全力を傾けつくして働ける

、胸のすくようなおもしろい仕事がしてみたいのであります。

おそらくこれは、万人の切なる願いであろうかと思うのであ

ります。

ところが、この切なる願いが、はたして万人によく満たされ

ているであろうか。ここでわれわれはあまり堅くならないで

ほんとうに自分の心のありのままの姿を打ち出して、一度

すなおに眺めてみなければならない。気張ったり、飾ったり

することをやめにして、弱ければ弱いそのままでよい、不平

があり、不満があり、あせりがあればあるままでよい。

その、あるがままの心を、一度すなおに見つめてみなけれ

ばならない。そうした場合に、われわれはいったい、心から

自分の職業に一身を打ち込んでやっていると言い得るであ

ろうか。

おもしろい仕事はどこにあるのか

 どうかすると、自分の現在やっている仕事に対しては、どう

しても自分の全力を傾けて打ち込むような気もちにはなれず

自分の真になさねばならぬ仕事、自分の使命であり、自分

の天職であると思われるような、そんなよい仕事が、どこか

ほかにあるような気がしてならない。さればといって、その

仕事がなんであるか、またどこにあるか、それもわからない

もしかかる快適な仕事が自分に発見されたとしたらば、その

ときこそ、自分はきっと自分の生命をも打ち込んで働きぬい

てみせる。しかし、現在の自分の仕事は、とても自分の一生

を打ち込むほどの価値ある仕事ではないような気がする。

したがって毎日の仕事に身がはいらない、情熱を感じない

誠意が持てない、やる気がしない。自分も不愉快であるから

あたりの人もいい顔をしてくれない。だからいよいよ嫌気がさし

てくる。

かといって、いろいろの事情から、そう思いきりよくその仕事を

見捨てるわけにもいかない。いやいやながらその仕事に引き

ずられて、その日その日を暮らしていくよりほかにしかたがない。

こういったような不安と焦燥のうちに、自分の現在の仕事を軽く

浅く、疑いながらやっているのである。

  こうした人は思ったより少なくはないように思うのであります。

ひとりわれわれ実業方面のみではなく、世の中をずっと見渡して

みますと、各方面を通じて、かなり多いのではあるまいか。

それが官吏であろうと、軍人であろうと、教育者であろうと、また

宗教家のような人びとであろうと、それぞれの方面において

同じようなことを感じている人が少なからずであるのではあるま

いか。

 好むと好まないとに関係なく、われわれは何か仕事を持ち、

職業を選んで働いていかなくてはならないのに、それがおもしろ

くないとか、いやだといった気持でいることは、いかに人生を暗く

憂鬱ならしめていることか。その原因は、よしどこにあるとしても

、自分の職業がおもしろくないということは、われわれ人間に

とって真に困ったことであり、われわれ人間にとって一大不幸

であると思うのであります。

 

 

 

カテゴリー別
最近のエントリー
月別アーカイブ

TOP